管理栄養士のメモ

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【離乳食】【卵の進め方】いつから?どうやって?卵ボーロから始めても良い?

皆さんこんにちは。やまもとベこです。

 

今回は、離乳食におけるの開始時期や方法について、解説していきます。

 

ちなみに卵は、離乳食期において最もアレルギー発症率が高いと言われています。(次いで乳、小麦の順)

 

 

《始める時期》

 少し前までは、7~8か月の離乳食中期ごろからという目安が主流でした。そのまた少し前だと、遅ければ遅い方が良いとされていました。1歳ごろまでは与えないという資料もありました。

 

 ですが最近では、離乳食を開始して1か月程経過した生後6か月ごろから卵黄を少しずつ与える、とされています。(厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドに記載、2019年に改訂されています)

 開始する時期が遅くなるほど、アレルギー発症リスクが高まるという研究結果もあります。

 

また、卵白は生後7~8か月の離乳中期ごろからです。これは、卵アレルギーの原因となるアレルゲンは主に卵白(オボムコイド等)に含まれるためです。

 

卵黄をクリア→卵白の順番で進めていきます。

 

《進め方の注意点》

注意項目が多いので、箇条書きでまとめてみます。

 

・卵黄は生後6か月ごろ(離乳食開始後1か月)、卵白は7~8か月ごろ(離乳中期)

※上記は生後5か月で離乳食を開始した場合です。それより開始を遅らせた場合は、その分時期をずらしてください。

・最初は20分の固ゆで卵の、卵黄部分のみを与える。

・アレルゲンは主に卵白部分に含まれるため、卵黄に卵白が触れないように注意する。

・包丁等は使わず、手で割るのが一番つきにくいかもしれないです。完全に防ぐのは難しいです…

・卵黄と卵白の境目部分は使わず、中心部分のみを使う。

・卵白の成分が移行してしまうので、茹でたらなるべく素早く卵黄と卵白を分ける。

・最初は耳かきひとさじから開始し、問題がなければ徐々に量を増やしていく。

・1~2日後に現れる遅延型アレルギーもあるため、毎日ではなく何日かおきに与えると安心です。

 

 

いや注意点多すぎですよね…正直ここまでやらなくても、という感じはしますが…笑

 

私も娘が乳アレルギーを発症するまでは、本当にアレルギーとは無縁の生活をしていました。いやいや、うちの子に限ってアレルギー出るわけないよな…と、軽く見ていたんですよね。

でもアレルギーって本当に怖いです。念には念をということで、一応注意点として全部書きました。

 

とりあえず、固ゆで卵・少量ずつ!というのが重要です!

 

毎回固ゆで卵作るのが大変な方は、冷凍もできます(卵黄のみ)。

(卵白部分はぼそぼそになってしまうため、冷凍はおすすめしません。)

固ゆで卵の卵黄をつぶして、ジップロックなどで保存します。ぽろぽろと崩れるので、使いやすいです。

 

ちなみに卵黄そのままだと中々食べにくいと思うので、出汁で伸ばしたり、お粥などに混ぜて与えるのが良いですね。

 

卵白まで進むと、薄焼き卵を細切りor炒り卵にして冷凍するのもおすすめですよ。

(薄焼き卵や炒り卵であれば、卵白が入っていても冷凍できます。)

 

 

《卵ボーロから始めても良い?》

 最近では、固ゆで卵ではなく、手軽にあげられる卵ボーロから始めてもよい、というような情報がSNSで話題になっていますよね。病院等で、医師からメーカー指定で指導されたりした方もいるようです。

こればかりは、考え方の違いになってくるのでなんとも言えませんが…

個人的にはおすすめしません!

 

理由は3つあります。

①”卵黄”ボーロでも、卵白が混ざってしまう可能性がある

→卵黄は大丈夫でも、卵白に反応してしまうことがあるためです。

②卵黄がどのくらいの量含まれているかわからない

→固ゆで卵だと最初は耳かき1さじからですが、卵ボーロでは、1粒にどのくらい卵黄が含まれているかわからない場合が多いです。(きちんと記載してあるものもあります!)

③加熱が十分でない可能性がある

→きちんと加熱処理されているものもありますが、そうでないものもあります。

 

もちろん卵黄をクリアした後に、卵黄ボーロをあげる分には問題ありません!(卵白が含まれているボーロは卵白クリアの後です)

しかし固ゆで卵では大丈夫だったのに、卵ボーロではアレルギーが出た!というケースも多々ありますので、ご注意ください。初めてあげるものは少量から、が基本です。

 

また、アトピー体質・お肌のバリア機能が弱めな子は、アレルギー反応が出やすいという研究結果もあります。心配な方は、卵ボーロからではなく固ゆで卵から開始するのをおすすめします。

 

 

《まとめ》

いかがでしたか?

乳幼児期には最もアレルギー反応が出やすい卵ですが、開始を遅らせるのも良くありません。怖がりすぎず、適切な時期に適切な方法で開始していきましょう!