私たちの食生活には欠かせない、身近な野菜であるトマト。今回は、栄養素や効果効能、調理するときのポイントなど、トマトについて徹底解説!簡単レシピ等もご紹介します。
そもそもトマトってどんな野菜?
トマトの特徴や歴史
トマトの起源は、アンデス地方(現在のペルーのあたり)です。スペイン人によってヨーロッパへ広まりますが、当時は食用ではなく観賞用として栽培されていたそうです。18世紀ごろから、徐々に食用として栽培されるようになっていきます。同じころ、日本にも観賞用として流入してきます。明治時代には食用のトマトが持ち込まれますが、当時のトマトはかなり酸味が強く、日本人にはあまり受け入れられなかったようです。その後、品種改良などを重ね、第二次世界大戦後には一般家庭にも徐々に広まりました。
トマトの主な産地はどこ?旬はいつ?
日本においては、熊本県、北海道、茨城県、福島県などが主な産地となっています。トマトはハウス栽培のものが7割を占めており、ハウス栽培のものは1年中出回りますが、露地栽培のものの旬は、6月~10月です。
プチトマトとミニトマトの違いは?
プチトマトとミニトマトは同じなのでは?と思う方も多いと思いますが、実は意味が全く違うものです。一言で言うと、「ミニトマトという分類の中のプチトマトという品種」です。「ミニトマト」はトマトの分類(大玉トマト、ミディトマト、ミニトマト、マイクロトマトの4つ)で、「プチトマト」は品種名です。
実はプチトマトは、日本にミニトマトが普及するきっかけとなったものです。昭和50年頃、プチトマトが日本で人気になり、ブームが起こりました。このプチトマトは、2007年に残念ながら生産終了している。
トマトに含まれる栄養素とその効能
トマトの主な栄養素は何がある?
◎100gあたりの栄養素
βーカロテン | ビタミンC | カリウム |
---|---|---|
540µg | 15mg | 210mg |
リコピン
リコピンとは、赤色のカロテノイド色素の一種で、強い抗酸化作用を持っています。抗酸化作用とは、体内の活性酵素を除去する作用のことで、細胞や肌が老化するのを防ぐ働きがあります。リコピンの摂取量は、1日15mg程度が目安とされています。
一般的なトマト100gには3mg程度のリコピンが含まれていますが、完熟度によってリコピン含有量は大きく変わると言われています。完熟トマトであるほど、リコピンの含有量は多くなります。
βーカロテン
βーカロテンは必要に応じて、体内でビタミンAに変換されます。免疫機能や目の健康に関わる栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。また、白血球を活性化させて免疫力を高める効果もあるため、風邪予防などにも効果的です。
さらに、ビタミンCには鉄分やカルシウムの吸収を助けるという働きもあります。
カリウム
カリウムは、体内の余分な水分やナトリウムを体外に排出する働きがあり、むくみの改善や予防に効果が期待できます。
トマトは生でも食べやすい食材のため、カリウムを効率的に摂取することができます。
トマトとミニトマト、どちらが栄養価が高い?
◎100gあたりの栄養素
カロリー | βーカロテン | ビタミンC | カリウム | |
---|---|---|---|---|
トマト | 20kcal | 540μg | 15mg | 210mg |
ミニトマト | 30kcal | 960μg | 32mg | 290mg |
ミニトマトのほうが、カロリーや栄養価が高くなっていることがわかります。大きいトマトであるほど水分量が多くなるため、ミニトマトは凝縮されているといったイメージです。 ちなみに、一般的にはミニトマトのほうが甘味が強いと言われています。
トマト加工品における栄養価の違いは?
◎100gあたりの栄養素
カロリー | βーカロテン | ビタミンC | カリウム | |
---|---|---|---|---|
トマト | 20kcal | 540μg | 15mg | 210mg |
トマト缶 | 21kcal | 570μg | 10mg | 240mg |
トマトジュース | 18kcal | 310μg | 6mg | 260mg |
ドライトマト | 291kcal | 2600μg | 15mg | 3200mg |
トマトケチャップ | 104kcal | 510μg | 8mg | 380mg |
ビタミンCは熱に弱く、加工する段階で失われやすい栄養素です。そのため、加工品のほうがビタミンCの含有量は少なくなっています。トマトケチャップは砂糖や調味料などが加えられるため、カロリーが高くなっています。
ちなみにリコピンの含有量は、加工品のほうが多いとされています。
どんなトマトが美味しい?選び方や正しい保存方法!
美味しいトマトの選び方は?
皮はつやがあり、ハリのあるものが良いです。また、丸みがあってずっしりと重い物、ヘタが鮮やかな緑色のものを選ぶと良いでしょう。傷が多い物、ヘタまわりがひび割れているものなどは避けるようにしましょう。
トマトの保存方法は?長持ちさせるには?
トマトは冷やしすぎると、味が落ちてしまいます。基本的には室温保存し、冷やして食べたい場合は、食べる1~2時間前に冷蔵庫に入れましょう。
青いトマトも、室温においておくと追熟(熟して赤くなる)します。
トマトは毎日食べても大丈夫?
トマトは、過剰摂取してもとくに問題はありません。様々な食材をバランスよく食べることが大切です。
トマトを使ったおすすめ調理方法!簡単レシピもご紹介!
トマトを調理するときのポイント
- 油と一緒に調理する
- 皮も一緒に食べる
- 加熱調理する
トマトに含まれるリコピンは、油に溶けだしやすく、加熱しても失われにくいという性質を持っています。そのため、オリーブオイルなどをかけて食べたり、トマトソースやスープとして加熱調理することで、より効率的に体内に吸収することができます。
また、皮にも栄養が多く含まれているため、皮も一緒に食べることをおすすめします。
簡単レシピのご紹介
ミニトマトの簡単マリネ
トマト缶で簡単!野菜たっぷりミネストローネ
栄養満点!夏野菜とひき肉のトマトカレー
<材料(2~3人前)>
- トマト:1~2個
- 茄子:2~3本
- 玉ねぎ:1個
- にんじん:1/3本
- その他お好みの野菜
- ニンニク:1片分
- ひき肉:200g
- カレー粉:小さじ1~お好みで
- ケチャップ:大さじ3
- ウスターソース:大さじ3
- 砂糖:小さじ1
- 醤油:小さじ1
<作り方>
- ①玉ねぎ、にんじん、茄子をお好みの大きさに切る。大きめでも良いですし、細かく刻んでもOK。トマトは食べやすい大きさに切る。
- ②鍋に油を熱し、茄子を揚げ焼きにする。別皿にとっておく。
- ③別鍋に油を入れて熱し、ニンニク、玉ねぎ、ひき肉の順に炒める。
- ➃ひき肉の色が変わってきたら、にんじんとその他お好みの野菜、トマトも加え、じっくり炒める。
- ⑤野菜から水分が出てきたら、調味料と茄子も加え、さらに炒める。
- ⑥味を調えて完成です。
まとめ
今回は、栄養満点で普段の生活に欠かせないトマトについて解説しました。簡単レシピやトマトの効果的な食べ方など、ぜひ参考にしてみてください。