かぼちゃは、煮物やコロッケ、サラダなど様々な料理で大活躍。私たち日本人の食生活には欠かせない野菜となっています。今回は、そんなかぼちゃについてどんな野菜なのか、栄養素や食べ方、簡単レシピまで徹底解説します。
そもそもかぼちゃってどんな野菜?
かぼちゃの分類や歴史
かぼちゃはウリ科の植物で、野菜類に分類されます。原産地は諸説ありますが、中南米(現在のメキシコとグアテマラ付近)と言われています。
現在、日本で生産・販売されているかぼちゃは、日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ぺポかぼちゃの3種類に分けられます。
日本かぼちゃ
現在は、主に中部以南で栽培されています。日本での歴史が最も古く、16世紀に漂着したポルトガル船によって伝わりました。
表面の凸凹が強く、皮が黒っぽいのが特徴です。ねっとりとした食感で甘味は西洋かぼちゃより強くないため、煮物やてんぷらなどの日本料理に向いています。菊座かぼちゃ、三毛門かぼちゃ、西京かぼちゃなどの品種が代表的です。
西洋かぼちゃ
日本かぼちゃよりも遅く、明治時代にアメリカから伝わりました。栽培や品種改良が重ねられ、甘味の強いかぼちゃになったとされています。
表面の凹凸はあまりなく、つるつるしているのが特徴です。甘味の強いホクホクした食感で、サラダやコロッケ、炒め物、スープなどに向いています。黒皮栗かぼちゃ(えびす南瓜、みやこ南瓜、九重栗南瓜など)、坊ちゃんかぼちゃなどの品種があります。
ぺポかぼちゃ
西洋かぼちゃよりさらに後に日本に伝わりました。オレンジ色のかぼちゃや糸かぼちゃ、ズッキーニなどがこれに分類されます。糸かぼちゃの一種であるそうめんかぼちゃは、酢の物や和え物によく利用されます。
かぼちゃの主な産地・旬はいつ?
かぼちゃの旬は、秋から冬にかけてです。実は収穫時期は真夏から初秋にかけてですが、数か月かけて追熟させるため、国産のかぼちゃが市場に出回るのは秋から冬にかけてとなります。それ以外の時期は、主に輸入かぼちゃがスーパーなどに並んでいるため、1年中手に入りやすくなっています。
冬至にかぼちゃを食べる習慣は、夏に収穫し追熟したかぼちゃを食べるため、理にかなっていると言えます。
かぼちゃに含まれる栄養素やその効果は?
◎各100gあたりの栄養素
エネルギー | カリウム | βーカロテン | ビタミンE | 食物繊維 | |
---|---|---|---|---|---|
日本かぼちゃ | 41kcal | 400mg | 700µg | 1.8mg | 2.8g |
西洋かぼちゃ | 78kcal | 450mg | 3900µg | 4.9mg | 3.5g |
西洋かぼちゃのほうが、日本かぼちゃよりも全体的にエネルギーや栄養価が高くなっています。これは、日本かぼちゃのほうが水分量が多いためだと考えられます。
かぼちゃに含まれる主な栄養素
カリウム
カリウムは、余分な水分やナトリウムを排出する働きがあり、生命維持には欠かせない栄養素です。体内の余分な塩分などを排出するため、むくみの改善や予防に効果的です。
βーカロテン
βーカロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素です。油に溶けやすい性質を持つ脂溶性のビタミンで、目や皮膚の健康に寄与しています。
ビタミンE
抗酸化作用があり、脂溶性のビタミンです。体内の血液の循環をスムーズにしたり、ホルモンのバランスを整えるといった働きもあります。
食物繊維
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質です。腸内で糖分の吸収を抑制することで、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。また、コレステロール値の上昇を抑える効果などもあります。不溶性食物繊維は水に溶けない性質です。そのため排便を促したり、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やす効果などがあります。
かぼちゃにおいては、西洋かぼちゃと日本かぼちゃで、含まれる食物繊維の種類が異なります。西洋かぼちゃは水溶性食物繊維が多く、日本かぼちゃは不溶性食物繊維が多くなっているため、それぞれの効果に合わせて選択しましょう。
皮と種のほうが栄養価が高い?
かぼちゃは、皮と種にも栄養が豊富に含まれています。
皮には、食物繊維が身よりも多く含まれています。そのため、かぼちゃは皮つきのままで食べるのがおすすめです。
また、種にはリノール酸が豊富に含まれています。リノール酸とは必須脂肪酸の一種で、血中コレステロール値を下げる働きがあります。しかし、その分脂質が多く、酸化しやすいという性質を持っているため、食べすぎには注意が必要です。
ダイエット効果は?さつまいもとどちらが良い?
◎各100gあたりの栄養素
西洋かぼちゃ | さつまいも | |
---|---|---|
エネルギー | 78kcal | 127kcal |
炭水化物 | 20.9g | 33.1g |
タンパク質 | 1.9g | 0.9g |
脂質 | 0.3g | 0.5g |
食物繊維 | 3.5g | 2.8g |
カリウム | 450mg | 380mg |
GI値 | 65 | 55 |
さつまいもと比較した時に、かぼちゃのほうがエネルギーや糖質が低く、食物繊維やカリウムが多くなっています。GI値に関しては、さつまいものほうが低くなっています。
GI値について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
どんなかぼちゃが美味しい?正しい保存方法!
美味しいかぼちゃの見分け方
硬く重みがあり、皮にツヤがあるもので、ヘタの周りが適度に乾燥しているものがおすすめです。カットされているものであれば、中にワタと種がぎっしりと詰まっているものが良いです。
また、皮がオレンジ色に変色しているものも、実は美味しいかぼちゃです。かぼちゃは追熟して甘味が増すほど、オレンジ色に変色しやすいです。そのため、皮がオレンジ色に変色しているかぼちゃは甘くて美味しいということになります。
かぼちゃの正しい保存方法
そのままのものであれば、冷暗所で2~3か月程度保存可能です。カットしてあるものであれば、種とワタをくりぬきラップでくるんで冷蔵庫で保管しまう。日持ちは1週間程度です。種とワタをくりぬいておかないと、腐敗しやすいため注意が必要です。
かぼちゃを使った簡単レシピのご紹介!
混ぜるだけ!ツナとかぼちゃの簡単サラダ
<材料(2~3人前)>
- かぼちゃ:1/4個
- ツナ缶:1/2缶
- マヨネーズ:大さじ1
- 酢:小さじ2
- 砂糖:小さじ1
- 塩コショウ:少々
<作り方>
- ①かぼちゃは適度な大きさにカットし、鍋で柔らかくなるまで茹でる。温かいうちにつぶす。
- ②①に、ツナ缶、マヨネーズ、酢、砂糖を加えて混ぜ、塩コショウで味を調える。
まとめ
今回は、かぼちゃについて徹底解説しました。栄養満点で1年中手に入りやすいかぼちゃを、ぜひ活用してみましょう。