やまべこごはん

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栄養満点なうなぎ!栄養素や効能、注意点などを管理栄養士が解説!

日本では、「土用の丑の日」にはうなぎを食べるという習慣が古くからあります。2024年の土用の丑の日は、7月24日(水)と、8月5日(月)です。

古くから日本人に親しまれてきたうなぎについて、栄養素や美味しい食べ方など、管理栄養士が徹底解説します。

 

古くから日本人に親しまれてきた「うなぎ」

うなぎの歴史

縄文時代貝塚から、うなぎの骨が出土していることなどから、うなぎの歴史は古く、約5000年前から食べられていたとされています。また、万葉集にもうなぎを食べていたとされる記述が発見されており、日本人は昔からうなぎをよく食べていたことがわかります。

江戸の町でもよく食べられていたそうですが、当時も高級品だったようです。

土用の丑の日の起源は?

土用の丑の日の起源は、江戸時代です。当時、うなぎは夏にはあまり売れ行きが良くありませんでした。そこで平賀源内という人物が、うなぎ屋の友人に「土用の丑の日にはうなぎを食べよう」という看板を出すことを提案したところ、見事に繁盛しました。そして周辺のうなぎ屋も次々に真似をし始め、土用の丑の日が定着したと言われています。

うなぎの主な産地は?天然と養殖の違いとは?

うなぎの五大産地として、鹿児島県、宮崎県、愛知県、静岡県高知県があります。

天然のうなぎは、時期と個体差によってかなり味に差が出ます。養殖のうなぎは、ある程度味や品質を一定に保つことができるため、現在は養殖のうなぎが多く生産されています。

うなぎに含まれる主な栄養素と効能

主な栄養素は?

うなぎに含まれる主な栄養素をご紹介します。

DHAEPAなどの不飽和脂肪酸

nー3系不飽和脂肪酸は体内では作られない栄養素であるため、食事から摂取する必要があります。うなぎには、100gあたり2.4gのnー3系不飽和脂肪酸が含まれており、1日の摂取量を補うことができます。しかし、脂質の過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンA

ビタミンAは、目や皮膚の健康維持などに役立つ栄養素です。不足すると「夜盲症」と呼ばれる、暗闇で目が見えにくくなる症状を引き起こすこともあります。

カルシウム

骨や歯の健康を保つ栄養素です。不足すると、骨粗しょう症などの原因にもなります。

ビタミンDと一緒に摂ると、吸収の効率がアップします。

うなぎは100gあたり150mgのカルシウムを含んでいます。これは牛乳の100gあたり110mgよりも多い数値です。

ビタミンB1

糖質をエネルギーに変える働きのある栄養素であり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立っています。

ビタミンE

「活性酵素」の働きを抑える抗酸化作用を持つ栄養素です。「活性酵素」とは、皮膚の老化や生活習慣病、脳神経疾患などを引き起こす物質です。この活性酵素の働きを抑制することで、老化防止などに役立ちます。

うなぎは疲労回復に効果的!

うなぎは、ビタミンB1を多く含んでいます。先述した通り、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する働きがあります。疲労感を感じる原因のひとつとして、エネルギー不足が挙げられます。ビタミンB1を多く含む食品を摂取することで、エネルギー不足の状態を解消することができます。

結果的に、ビタミンB1疲労回復や夏バテなどに効果的だと言われています。

うなぎを食べるときの注意点

うなぎは美味しくて栄養のある食品ですが、食べ方や量には注意が必要です。

毎日食べても良い?

うなぎには、ビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは脂溶性の物質であるため水に溶けにくく、体内に蓄積されやすいです。そのため、毎日うなぎを食べているとビタミンAの過剰摂取につながる恐れがあります。

ビタミンAの1日の摂取推奨量は、650~700µgです。うなぎには100gあたり1500µgのビタミンAが含まれているため、うな重1人前を食べるだけで、推奨量を大きく上回ってしまいます。毎日食べることは避け、過剰摂取にならないように気を付けましょう。

妊娠中は食べてはいけない?

上記で解説した通り、うなぎの食べすぎはビタミンAの過剰摂取につながる恐れがあります。妊娠中にビタミンAを過剰摂取してしまうと、胎児の形成不全や奇形などを引き起こす可能性もあるため、十分な注意が必要です。

ビタミンAの1日の摂取推奨量は、妊娠初期・中期は650~700µg、妊娠後期は730~780µgとなっています。他の食材からビタミンAを摂取している場合もあるため、妊娠中にうなぎを食べる場合は1人前の1/4程度にとどめるようにしましょう。

うなぎの美味しい食べ方や保存方法

市販のうなぎを美味しく食べるための方法や冷凍うなぎの保存方法などをご紹介します。

市販のうなぎを美味しく食べる方法とは?

  1. 元々ついているタレは洗い流す。
  2. 酒を少々振りかけ、グリル中火で5分ほど焼く。(両面)
  3. 付属のタレを掛けて完成。

元々ついているタレは綺麗に洗い流すことで、臭みなどを取り除き、美味しく食べることができます。

冷凍品の食べ方は?どのくらい持つ?

冷凍品は、冷凍庫で1か月程度は保存可能なため、便利です。

冷凍されたうなぎを解凍する際は、食べる半日~1日前に冷蔵庫で解凍するか、流水で10分ほど解凍します。解凍後は冷蔵庫に保存し、1~2日程度で食べきるようにしましょう。

まとめ

今回はうなぎの栄養や食べ方のポイントなど、詳しく解説しました。うなぎは栄養価が高く、夏バテ予防にぴったりの食材ですが、食べすぎには注意しましょう。

市販のうなぎの美味しい食べ方も、ぜひ実践してみてください。