管理栄養士のメモ

管理栄養士が栄養情報を発信していきます。

カツオを徹底解説!春どりと秋どりの違いとは?

 皆さんこんにちは。

 

 今回は、【カツオ】について、徹底解説していきたいと思います!

 

 

《春どり、秋どりの違いとは?》

〇春どり

 春~初夏(4月~6月頃)にかけて取れるものを言う。大平洋を、北海道に向かって北上していく。脂が少なく身が引き締まっており、弾力があるのが特徴で、さっぱりとした味わい。

 

〇秋どり

 初秋~秋ごろ(8月下旬~10月)にかけて取れるものを言う。北海道へ北上していたカツオたちが南下し始める(=戻ってくる)。脂がのっており、とろかつおとも呼ばれる。こってりと濃厚な味わいが特徴。

 

 

《春どりと秋どり、栄養価に違いは?》

〇カツオ100g当たりの主な栄養価

  エネルギー タンパク質 脂質
春どり 114 25.8 0.5
秋どり 165 25 6.2

 

 春どりと秋どりそれぞれの栄養価は、全体的に見ると大きく変わりません。しかし脂質のみ、春どりは0.5g/100gなのに対して秋どりはなんと6.2g/100gとかなりの差があります。

 

 脂質が多くなっているので、秋どりは健康に悪い?と思いますよね。カツオに含まれている脂質は、ほとんどがDHAEPAなどの不飽和脂肪酸なので、実は積極的に摂りたい栄養なんです。DHAEPAについて、少し解説してみます。

 

 

DHAEPAとは?》

 どちらも、青魚(イワシ、サンマ、サバ等)に含まれている、体内では作り出すことができないn-3系脂肪酸です。特に、脂ののった旬の魚に多く含まれています。

 

DHA(ドコサヘキサエン酸)

 DHAの特徴は、ダイレクトに脳に働きかけられるという点です。脳には血管脳関門というものがあり、そこを通過できる成分は限られています。DHAはここを通過できる(EPAは通れない)ので、脳に直接働きかけ、脳を活性化する効果があります。

 ・記憶力アップ

 ・シナプス活性アップ

 ・脂質代謝異常の緩和

 ・血中コレステロール中性脂肪を減らす(EPAよりは劣る)

 ・動脈硬化や高血圧の予防(EPAよりは劣る)

 

EPA(エイコサペンタエン酸)

 EPAは、血管や血液に直接作用します。血液をサラサラにする効果は、DHAよりも優れています。

 ・血中の悪玉コレステロール中性脂肪を減らす

 ・血小板の凝集を抑制→心筋梗塞脳梗塞のリスクを減らす(特に男性)

 ・高血圧の予防、改善

 

 EPAは脳に直接働きかけられない代わりに、血液サラサラにする効果はDHAよりも大きいです。

 ・DHAに働きかける

 ・EPA血液に働きかける

と覚えましょう!

 

 ちなみにDHAEPAは、合わせて1日1g以上を、一緒に取るのが良いとされています。

 

 

《その他のカツオの栄養成分》

 〇鉄分

 カツオは血合い(色が濃い部分)が多いため、鉄分を豊富に含んでいます。貧血の予防や疲労、体力の回復に役立ちます。

 

 〇ビタミンB群

 ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン葉酸パントテン酸、ビオチンの8種の総称のことです。体内の代謝を助ける、という共通の働きがあります。

 

 

 いかがでしたか?カツオの解説に加え、聞いたことあるけど効果がよくわからないDHAEPAについても少し解説してみました。

 この記事が参考になれば嬉しいです。